中京最終週の日曜メーンとして開催される東海ステークスへ向けて、東西トレセンで21日、追い切りが行われた。栗東では、昨年のGIフェブラリーS覇者コパノリッキーが初コンビの武豊騎手を背にCWコースで併せ馬を行い、1馬身先着。好気配を漂わせた。インカンテーションは同じCWコースで僚馬に大差で先着。ナムラビクターは坂路をしっかりとしたフットワークで駆け上がった。
寒風が吹き付ける中、コパノリッキーが躍動した。初めて手綱を取った武豊騎手は好感触だ。
「馬場がだいぶ悪くてのめっていたけど、しっかり走れていた。思ったより掛かるところがなくて、イメージより乗りやすかった。当たり前だけど、いい馬だね」
朝一番の追い切りラッシュがひと息つき、馬場が荒れ始めたCWコースでスリータイタン(1000万下)を追走。手応えよく直線に向いて鞍上に促されると、ストライドを伸ばして1馬身先着した。
稍重の馬場状態で6ハロン80秒9-12秒5の時計は優秀。ジョッキーは「ゴールドアリュール産駒は力強い。スマートファルコンがそうだけど、この馬にも感じた」と、交流GI6勝を挙げた相棒を例に手応えを語った。
昨年はフェブラリーSを制し、交流競走を含めてGI3勝。だが、チャンピオンズC(12着)と東京大賞典(2着)でホッコータルマエにGI連勝を許し、最優秀ダートホースの座を逃した。『打倒タルマエ』を掲げる今年は、カイバの量を1割増やしてパワーアップを図っている。
村山調教師は「成長する前に体を大きくすると故障の原因になるが、骨がだいぶ成長したので筋肉をつけていく。パワーアップしないとタルマエには太刀打ちできない」と説明。持ち前のスピードを生かしつつ、550キロ(前走時527キロ)まで増量する考えだ。
連覇がかかるフェブラリーS(2月22日、東京、GI、ダ1600メートル)に向けて取りこぼせない。武豊騎手は「GIを取った馬で声をかけてもらったことに応えないといけない」と表情を引き締めた。コパノリッキーが必勝態勢で尾張へ乗り込む。 (川端亮平)
コパノリッキー
フェブラリーSが最大のポイント、16番人気で1着