皐月賞を驚異的な末脚で制した駿馬が二冠獲得を目指し、同じ祖母を持つ超良血馬も覇権を狙う。また、全勝で臨んだ皐月賞で敗れ、巻き返しをはかる馬たちもいれば、これが最後のダービーとなる伯楽も有力馬を送り込んでくる――。今年の「競馬の祭典」第82回日本ダービー(5月31日、3歳GI、東京芝2400m)は、実に見どころが多く、ハイレベルな戦いになりそうだ。
下馬評では、皐月賞の4コーナーで、馬数頭ぶん横っ飛びするような格好になりながら、直線で前をまとめてかわしたドゥラメンテ(牡、父キングカメハメハ、美浦・堀宣行厩舎)の「一強」ムードだ。
確かに、衝撃度としては、スタート直後に大きく躓きながら圧勝した、10年前のディープインパクト級の勝ち方だった。
ディープは、無敗のままダービー、菊花賞を制し、三冠馬となった。M・デムーロがドゥラメンテに感じる本物の手応え。ドゥラメンテもここを勝ち、'11年のオルフェーヴル以来の二冠馬(オルフェも三冠馬となった)となることができるのか。
その可能性は小さくないだろう。皐月賞の4コーナーの横っ飛びは、他馬の進路を妨害することになったが、ドゥラメンテ自身にとっても大きなロスだった。言ってみれば、自分で不利を抱え込んだわけだが、にもかかわらず、中山の短い直線で鬼のような脚を使い、2着を1馬身半突き放したのだから、普通ではない。
また、主戦のミルコ・デムーロは、この馬の調教に初めて乗ったころから「ネオユニヴァースのようだ」と言っていた。ネオは、自身の手綱で皐月賞、ダービーの二冠を制した名馬である。私の記憶違いでなければ、'13年の皐月賞を同じく自らの手綱で勝ったロゴタイプに関しては、ネオに言及することはなかった。
デムーロは、走る馬ならなんでも「ネオのようだ」と言うわけではない。ドゥラメンテに関しては、本当にネオ級の手応えを感じているのだろう。ドゥラメンテが府中を走る時の問題とは?枠はどこを引くかと注目していたら、7枠14番になった。先週のオークスで1番人気に支持されて2着となったルージュバックと同じだ。先週の本稿に記したように、特に近年のダービーでは内枠有利の傾向があるのだが、ネオユニヴァースが勝ったときは7枠13番だった。今回は1頭ぶん外なだけで、しかも偶数番だから、ゲート内で待たされない後入れになる。
2走前の共同通信杯は道中掛かって2着に負けたので、前に馬を置きやすい内枠のほうがよかったのかもしれないが、実は、枠の内外よりも気になることがひとつある。
それは、この馬の「手前」に関することだ。
この馬は、デビューから東京芝1800mばかりを4戦し、2-1-1-2着となり、その次が皐月賞だった。馬自身が左手前(左前脚を右より前に出して走ること)が好きなのか、東京で走った4戦すべての直線で、ラスト200mを過ぎたあたりで左手前に替えている。コーナーを回るとき、左回りなら左手前で走り、直線で右に替える。であるから、東京の直線では右手前で走り切るのが普通なのだが、この馬は、なぜか最後に左に戻して走るのだ。
皐月賞の4コーナーで横っ飛びしたときのVTRを見ると、コーナーを回りながら左手前に替えてしまい、外にふくれたことがわかる。
皐月賞ー2015年
1着 ドゥラメンテ デムーロ
2着 リアルスティール 福永祐一
3着 キタサンブラック 浜中俊
やっぱり4コーナーでの出来事がやばかった・・・これでビビって後ろ過ぎると
ツイッターの声
「一強」ドゥラメンテの最大の死角とは。超良血馬集結の日本ダービーを読む。 http://t.co/Ob0TyvPo0X #numberweb http://t.co/A5G9h2vnA9
— Number Web編集室 (@numberweb)2015年5月29日 23:10:07
@hentaimimura スタンド前発走が気性の荒いドゥラメンテ大丈夫なのか。道中掛かりっぱなしにならなければ良いけど!
— 渡部 和樹 (@kazuki1598)2015年5月30日 8:55:37