ミッキークイーン|2016年ヴィクトリアマイル|注目馬まとめ
 

 今週行われる「第11回ヴィクトリアマイル」は史上最多7頭のG1馬が顔をそろえる豪華さ。なかでも断然の輝きを放つのが昨年の2冠馬ミッキークイーンだ。前哨戦の阪神牝馬Sは2着に甘んじたが、破格の切れ味は確認できた。鞍上に主戦の浜中が帰ってくる本番で、並み居る強豪を蹴散らしてみせるか。

 実力、臨戦過程、そして将来性から言えばミッキークイーンが不動の主役。前哨戦の阪神牝馬Sも勝ち馬スマートレイアーより2キロ重い56キロを背負いながらも首差の2着。マイル戦でも対応可能な末脚を印象付けた。担当の斉藤助手も状態の良さに胸を張る。

 「先週の追い切り(CWコース6F81秒3~1F11秒5)は内を回ったから時計は速くなったにしても、いい動きでしたね。馬は相当いいと思いますよ。ジョッキー(浜中)も“大丈夫”と言ってましたから」

 昨年は桜花賞こそ賞金的に出走がかなわなかったが、オークスに続き秋華賞を完勝。3歳にしてジャパンカップ挑戦に踏み切ったことからも期待の大きさが分かる。だが、死角を探すとすればマイルへの適性だろう。

 「トップスピードに入るまでに時間がかかりますからね。前走のルメールは初めてだったし、調教に乗って“瞬発力が凄い”と言ってましたから、スッと動けると思っていたんじゃないですかね」

 今回は鞍上に主戦の浜中が帰ってくる。クイーンの個性を知り尽くした鞍上なら能力を余すことなく引き出してくれそうだが、危ぐするのは先行馬の“前残り”だ。

 「牝馬同士だし、前走の競馬を見ると何とかなると思いますけど、距離はもう少しあった方がいい。それに今の前残りの馬場がどうなのかと…」斉藤助手は最後に不安もちらり。

 クイーンの絶対能力を信じながらも、昨年の3連単2000万円超のような波乱の可能性も捨てきれない。

 

浜中の復帰戦というだけである意味怖い気も

 「ヴィクトリアマイル・G1」(15日、東京)

 いよいよ浜中がターフに帰ってくる。東京新聞杯の直線で内ラチに激突して、左指と左手首を骨折。3カ月の戦線離脱を余儀なくされたが、ようやく先週から調教騎乗を再開。今週はミッキークイーンとのコンビで復帰即G1Vを狙う。

 「オーナーには休養中も電話をもらって、気に掛けていただいていたんです。また乗せてもらえると言っていただいて、それが励みにもなりました。病み上がりなのに乗せてもらえる。普通は嫌だと思うんです。何とかいい結果を出したい」と気合が入る。医師からは7月の復帰を言い渡されたが、懸命にリハビリをこなして休養期間を2カ月短縮。毎日のように病院へ通ってつらい痛みと闘ったのは、何としてもこの週に間に合わせるためだった。

 1週前追い切りに騎乗してクイーンの状態は確認済み。前走阪神牝馬S(2着)はテレビで観戦したが、あらためて能力の高さを感じたという。「休み明けで、久々のマイルでしたが、内容は十分良かったと思います。(今回は)いろいろな意味で上積みがあるでしょう。長い直線の東京も乗りやすいですから」と自信ありげな表情。相棒を女王の座に導くとともに、自らの復帰に花を添えてみせる。

 
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