エリザベス女王杯-お願いマリアライト
春G1は回収率140%だったデジタル編集部の“真希バオー”こと中嶋真希記者が、12月末までの秋G1の11戦を予想します。連敗が続き、崖っ縁で迎える第5戦は、今年の女王を決めるエリザベス女王杯(京都2200メートル、13日午後3時40分発走)。毎日新聞の競馬面担当、松沢一憲記者の解説を交えながら“ウマ女”記者が競馬の楽しさをお届けします。【中嶋真希】
エリザベス女王杯は、3歳牝馬が古馬(4歳以上の馬)の牝馬に戦いを挑む。春に宝塚記念(阪神2200メートル)を勝ったマリアライトが昨年に続き勝利するか、それに待ったをかける馬が出現するか。真希バオーは、今年まだ牝馬4戦を的中できていない。同じ「淑女」として、馬の気持ちになって予想に挑みたい。
「馬の気持ちなんてわかるわけないだろ、バカヤロー」と松沢記者に怒られた。「馬は大きなペットみたいなもの。ペットが走るかどうかは、データで見るんだよ。お前も、おれの新刊『怒濤のVライン』(1800円+税、ガイドワークス)をよく読んで勉強しろ」。ちゃっかり宣伝を挟み込む松沢記者の、予想はいかに。
◇本命はマリアライト
「過去10年、このレースで馬連(1、2着に入る馬を当てる)が万馬券になったのは1回のみ。9回は5000円以下と、順当に収まっている」と松沢記者。荒れないとみて、マリアライトを本命にした。「宝塚記念では、現役最強と言われたドゥラメンテやキタサンブラックらを破って春のグランプリ馬になった。前走のオールカマー(中山2200メートル)は5着だったが、休み明けで力を出し切れなかった」と評価する。
アリアライトを破るとすれば、パールコード。「秋華賞(京都2000メートル)は、半馬身差で2着。3歳世代きっての実績のある馬だ。好位につけて、うまく立ち回れるレースセンスを身につけている。大きく崩れることはないだろう」
3番手は、デンコウアンジュ。「前走の秋華賞は9着だったが、外を回るコースロスがあった上に、スローペースで自慢の末脚(ゴール前の加速)を発揮できなかった。人気を落としているが、アルテミスステークス(S)=東京1600メートル=では2歳女王で後のNHKマイルカップ(東京1600メートル)馬のメジャーエンブレムを破っている。勝ち負けできる潜在能力を備えている」
◇気になる穴は…
穴は、クイーンズリング、シュンドルボン、ミッキークイーン。
クイーンズリングは、前走の府中牝馬S(東京1800メートル)を1馬身半差で快勝。「昨年のエリザベス女王杯は8着だったが、直線で不利があった。スムーズにレースができれば、勝ち負けに持ち込める」
シュンドルボンは、「前走の府中牝馬Sは、追い込み馬に不利な流れをレース最速の上がり33.3秒で3馬身4分の1差の5着まで迫った。今回は、休養明け2戦目。2000メートル以上のレースで勝っていないが、1800メートルを4勝していれば、2200メートルも守備範囲だ」。
人気が予想されるミッキークイーンは、6カ月ぶりの実戦で評価を下げた。「過去10年で1~3着の馬は、必ず9月か10月に1度使われている。データでは狙えないが、4歳世代をけん引してきた実力馬。無印にはできない」
◇真希バオーの大胆予想
3連複5頭ボックス(10点1000円)
(1)ミッキークイーン
(2)マリアライト
(3)クイーンズリング
(7)マキシマムドパリ
(15)パールコード
松沢記者と同じく、マリアライトを本命にした。5着だった前走のオールカマーは、3カ月の休み明け。ひとたたきした上積みが見込める今回は、きっちり結果を出してくれるだろう。マキシマムドパリは、派手さはないが、安定した成績を残している。デビューから16戦で、掲示板を外した(5着以下になった)のは、オークス(東京2400メートル)の8着のみ。牡馬を相手に健闘しているのも心強い。
◇崖っ縁の4連敗 -4000円
10月30日にあった天皇賞・秋(東京2000メートル)は、「最強マイラー」のモーリスが2000メートルでも強さを見せつけて圧勝。2着はリアルスティール、3着にはステファノスが入った。◎に期待したエイシンヒカリは、勢いよく逃げるも直線で馬群に沈んで12着。応援し続けていたアンビシャスも4着に敗れた。
翌日、出社して席に着くと、部長が肩をたたいてきた。「また外れたな」。いつも優しい笑顔の部長だが、予想を外した翌日は冷たい。「秋のレースは波乱が続いていて……」と弁解すると、「そろそろ当てないと、連載は打ち切りだぞ」と去っていった。秋G1戦も中盤。14日の月曜日には、部長の笑顔が見られるようにがんばるぞ。